モールス練習機ってそもそも何?って思われる方も少ないかも。モールス信号は短点音と長点音、いわゆるトン・ツーの世界です。何でモールス信号なのかというと、随分昔にハマっていたモールス通信をリバイバルしたくてちょっと練習してみたくなり、それで練習機を作ろうと思ったわけです。練習機は早い話がスイッチがONの間だけピーとなる発信器です。で、何で作るか。今回は随分昔雑誌で見た工作記事を参考にNE555で作ることにしました。このNE555は知る人ぞ知る、タイマーや発信器で重宝するICで秋月電子でも1個20円で購入できます。手持ちのパーツを集めたらこんな感じになりました。
工作室で用意した部品はこんな感じです。写真では茶色の抵抗(青色抵抗と可変抵抗の間)が写ってますが、工作途中で使わないことになりました。というのも用意したセラミックコンデンサーが0.01uFだと思ってたのですが、よくよく虫眼鏡でみてみると0.1uFで、それでこの抵抗を外すこととなりました。詳細は後述ということで。3.5インチステレオジャックDIPキットは秋月電子にて購入することができます。
部品名 | 数量 |
タイマーIC NE555 | 1 |
電解コンデンサー 47uF | 1 |
セラミックコンデンサー 0.1uF | 1 |
抵抗 1KΩ | 1 |
可変抵抗器 50KΩ | 1 |
大型可変抵抗器 1KΩ | 1 |
ボリュームつまみ | 1 |
3.5mm ステレオジャック DIPキット | 1 |
ブレッドボード | 1 |
単三電池x4 ボックス | 1 |
ジャンパーワイヤー | 適量 |
この部品を使って工作する回路図はこんな感じです。SPはスピーカーで、実際にはイヤホンをつなぎました。SWは最終的に電鍵になります。
ピーっという発信音の周波数はVR1で調整します。この回路での発信周波数は以下の式で求められます。
周波数 = 1.44 / ( (R + VR1 x 2) x C1 )
可変抵抗をだいたい10KΩ位に合わせた場合の周波数は以下と計算されます。
周波数 = 1.44 / ( (1000 + 10000 x 2) x (0.1 /1000000) ) = 685 Hz
この位の周波数の音だと疲れにくいように思います。
用意したコンデンサーが0.01uFだと思ってと書きましたが、コンデンサーの値が1/10になると抵抗部分もその値が10倍にならないと同じ周波数になりません。そのため、50KΩの可変抵抗に直列で68KΩの抵抗が入る予定でした。結局この68KΩが要らなくなったわけです。
ブレッドボードで配線をする前に、2つの事前作業を行います。一つ目は3.5mmステレオミニジャックの組み立て、二つ目は大型可変抵抗をブレッドボードに取り付けるためのワイヤー配線です。
3.5mmステレオミニジャックの工作
秋月電子のステレオミニジャックDIPキットは、①ステレオミニジャック、②基板、③インラインピンヘッダー、で構成されています。ピンは信号線の4本に加えて、基板保持用に左右1本ずつ半田付けするようです。工作室ではとりあえず信号線の4本だけを半田付けすることにしました。
実は、このピンヘッダーの半田付けは結構面倒です。基板の穴径がピン径に比べて大きいので、うまく支えないと半田付けできません。工作室では拡大鏡の基盤固定用のクリップを使って対応しました。まず、ヘッダーピンを一方のクリップで挟み、もう片方のクリップの上に基板を乗せます。この状態でピンの半田付けを行いました。
ステレオミニジャックは基板に差し込んであるだけで半田付けはされていません。これも不安定な部品なので、ステレオミニジャックをバイスで固定して半田付けを行いました。
大型可変抵抗器のワイヤー配線
どこが大型なのよ、ってツッコミがあるかもしれませんがブレッドボード工作をするこの工作室では大型です。全くブレッドボードの事など眼中にない可変抵抗器をブレッドボートにつなぐため、ジャンパワイヤーを半田付けします。
これまた難しい半田付けになりますが、ステレオミニジャック同様拡大鏡のクリップに助けてもらいます。可変抵抗器の軸をクリップで挟んで、可変抵抗器の端子の穴にジャンパワイヤーを通して引っ掛けます。この状態で半田付けを行いました。
配線が完了したブレッドボードはこんな感じになりました。
ブレッドボード上の部品の中で電解コンデンサーは唯一極性を持っています。LED同様に足の長い方がプラスです。電解コンデンサーの場合、マイナス側には本体にもマイナスのマークが印刷されています。そうしないと足の長さを切り揃えたら極性が分からなくなるので、本体の印刷はとても重要ですね。
早速電池ボックスをつないで動作確認です。電池ボックスは以前子どもの理科実験用に作ったボードを流用してます。
ステレオジャックにヘッドホーンのピンを差し込んで、ブレッドボードの左端にあるタクトスイッチを押すとピーとなりました。無事成功です。音量は大型可変抵抗器のつまみを回して調整します。こうなるとどんな波形が出ているのか見たくなります。そこでロジックアナライザーLA1010をNE555のOUT端子につないで観察してみました。
ブレッドボード上の可変抵抗器VR1をマイナスドライバーで回すと周波数が変わります。だいたい500Hzになるように合わせてみました。こんな感じで出力音のトーンが変わるわけですね。
さてさて、この工作は「モールス練習機」というテーマで始めてます。なので、電鍵をつけて完成です。大事にしまっていた電鍵を取り出してタクトスイッチの配線を電鍵につなぎかえてみました。
電鍵を叩いてみるとちゃんとピ、ピーと鳴ります。これでモールス練習が行えますね。ということで工作完了です。
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